心療内科はどんなところ?
心療内科とは
心身医学を主に内科領域において実践する診療科であり、基本的コンセプトは【心身相関】です。患者さんの「こころ」と「からだ」、そして、その人をとりまく環境等も考慮して、統合的に治療していこうとする医療です。
心療内科医は基本的には内科医であり、あくまで身体症状をもつものが専門です。
心身症の定義
【身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的、ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など他の精神障害に伴う身体症状は除外する。】
これが心身症の定義です。
すなわち、器質的障害というのは「炎症や腫瘍など目に見える異常による障害」のことを指します。機能的障害というのは器質的な異常がなく、レントゲン・CT・内視鏡などの検査をしても異常が見つからず、その働きが障害されている状態を言います。
注意点
心療内科は、精神科ではありません。
精神疾患は対象外となりますので、その際は専門的な医療機関が望ましいと判断させて頂きます。
ご了承下さい。
症例と特徴
例:消化管
- 腹痛
- 便秘や下痢等(過敏性腸症候群)
- 首・肩の不調
潰瘍や癌などの炎症はないけれど、腸の動きに異常がある為に上記のような症状が出るものです。
【過敏性腸症候群】などが、この症状に該当します。
症状の特徴
概ねどの症状にも該当するのは『ストレスにより症状が増悪する』と言うことです。
心身相関に関連する病気を言います。
- 高血圧
- 消化性潰瘍
- 気管支喘息
- 関節リウマチ
- 糖尿病腹痛
以上の症状の中でも、特にストレスによって症状の増悪する疾患は高血圧(心身症)などと診断されます。その場合、心身両面からのアプローチが必要になる例も少なくありません。
すなわち、心と身体は密接な関係にあることが分かります。
それらを分けずに、双方からアプローチする医療なのです。
どんな治療をするの?
心身両面からの統合医療
内科疾患治療
一般的薬物治療の他、それ以外の治療方法として心理療法を用いた治療を進めて行きます。
- 高血圧
- 糖尿病
- 気管支喘息
- 過敏性腸症候群
- 甲状腺機能亢進症
以上の症状のように、ストレスにより増悪する疾患を治療対象とします。
その他の特殊治療
- 不安感がある
- 抑うつ状態にある
- イライラする
- 不眠の状態にある
以上の症状に対しては、自律訓練法・運動療法・音楽療法などの特殊治療も行います。
院長からのメッセージ
働き盛りの30代・40代・50代の方へ
働き盛りの人が、いかに大きなストレスを受けているか?
「身体が辛くても休めない」
「休日出勤・超過勤務が当たり前」
こんな環境によって、確実にストレス関連疾患が増加しています。
身体に現れるストレス
- 血圧が高くなる
- 胃痛を感じることが多くなる
- 腹痛や下痢が止まらなくなる
- 夜、眠れなくなる
- 昼、眠くてぼーっとしてしまう
- 表情がさえず、元気が出ない
このような状態では、健康的で豊かな生活を送ることができません。
また、心身に与えるストレスは仕事だけではありません。
「家を建てたがこんなに支払いが大変だとは…」「家計が苦しい…こんなはずではなかった」
パートの仕事に子供の養育、とにかく日々の生活の中にストレスを感じる瞬間はあり溢れ、いくらでも増えていきます。
「では、いったいどうすればいいのですか?」
そう思っている患者さんが多くいらっしゃいます。
そこで、当クリニックからの提案です。
朝の時間にゆとりをもつこと
朝の時間を大切に使うことの効用は、とても良い結果をもたらします。普段の生活を、もう一度見直してみませんか?時間が無いという人は「時間は工夫しだいで作る物」と考え、時間の積極的な活用にチャレンジしてみましょう。
治療の主体は患者様にあること
心身の不調を感じたら、まず症状の軽微な内にご相談頂けると幸いです。早めの手当が、もっとも効果的であることは言うまでもありません。
それと同時に、抱え込むあなた負担を専門家として受けとめ、その負担を軽減し、いろんな手法を実践していく手助けをさせて頂くことができます。それが心療内科医の努めだと思います。
ただし、心療内科医はあくまで手助けをする立場であって、治療の主体は患者さんにあるということを忘れてはいけません。二人三脚で、患者さんと一緒に普段の生活を見直していけたら幸いで御座います。